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女将のみんこです。冬らしく冷え込んできましたね。
さて、そんな北風に負けじと先日、小倉の勝山公園周辺を自転車でお散歩してきました。
ただのお散歩じゃございません。題して

「小倉造兵廠を巡る旅」!!

昭和初めから終戦にかけて、小倉には軍の武器を作る工場があり、軍都として栄え、戦後はその跡地に官公庁施設や民間の工場が建てられました。
今では生活に馴染んで何気なく通り過ぎてしまう場所ですが、今一度そのデカ過ぎる規模の大きさと、現存する建物や遺構を見に行ってみようじゃないかと…。

まずどのあたりが敷地だったかというと、
今の大芝生広場→西小倉小学校→旧拘置所裏→木町1丁目交差点→紫川沿い
を線で囲んだ、自転車や自動車でもちょっと距離のある、広大な土地でした。

今も残る外壁を伝って自転車を走らせます。基礎は石積み、壁はコンクリート製。その黒い肌が年月を物語ってます。都市高を横切ってすぐ、ありました。

陸軍用地

と刻印のある石標。
石標は年月を経ても結構残っているのでありがたいです。同じタイプの石標が城野の旧医療刑務所跡にも残ってたりします。

さらに走って旧拘置所の裏。ここには江戸時代の清水門跡の案内板が立てられているのですが、そのもう一つ先の角に

今度はくっきり見えますね。陸軍用地。

そのまま走ると白亜の結婚式場やガソリンスタンドのある大きな通りに出ます。ガソリンスタンドの先には「原町緑道」が。
実はこれ、造兵廠への引込み線の跡なんだそうです。そのまま行くとJR日豊線の線路に行き着きます。
反対に、大きな通りを渡って巨大な公団住宅の隙間を走れば紫川のグラウンド・公園に出ます。

この公園には造兵廠の給水塔のミニチュアや監視哨の現物が置いてあります。工事中とのことで今回は近寄れませんでした。
公園すぐそばの健和会病院へ進むと、空き地を利用した駐車場が。その壁面。
銃の発射テストするとこの壁だったらしいです。(壁に向かって撃っていたわけではない)

この扉の奥には、造兵廠の地下通路が続いてるらしいです。当然施錠されてます。

勝山公園に走り、弓道場の裏。倉庫跡だそうですが、民間の工場になっています。

排水溝なのでしょうか?レンガ製。

ここで自転車を北九州市埋蔵文化財センターに進めました。戦時資料館が併設されてるんです。戦時中の貴重な品々が展示されており、戦後すぐの小倉の様子を映したVTRも見れました。

そして図書館へ。「小倉陸軍造兵廠史」とアルバム2冊を閲覧しました。

小倉造兵廠の起こりは昭和初期。関東大震災で東京の造兵廠が被害を受けたため、流通に便利で大陸にも近い小倉に造兵廠が移転。その名残で、シンボルマークは小倉も東京と同じマークを使用していました。
しかし戦況が激しくなってくると、小倉も危ないということで(実際爆撃に遭い多数犠牲者が出た)昭和19年頃には九州各地に再び移転・分散され、終戦を迎えました。

当時の工場の配置図と現在の地図を照らし合わせて、現存している『と思われる』建物はごくわずか。
紹介した倉庫と、第2旋工場(現製紙会社工場)、板金工場 (現製機会社工場)ですが、工場の建物が建て替えられている可能性もあるので、当時そのままの建物かどうかはわかりません。構造など外から見た感じでは当時からのものにも見えるんですが…。

アルバムは、白黒写真が綺麗に整理され貼り付けられていました。寄贈者の手によるものでしょうか。
建築中の配水塔や地下道の様子。その前に並ぶ丸眼鏡の軍人さん。
ぴかぴかの砲弾の森の中で作業する女性の姿。
整然と並ぶ製造中の戦車…。
写真が生写真のわりに状態が良いので、戦中の写真でも、ついこの前のように感じられます。中に写っている人たちも、そのままの姿で現在も生きているように思えてしまう。
資料としても、戦争を見つめるものとしても、大変貴重なアルバムでした。
貸し出し不可ですが閲覧はできるので、興味ある方は一度見てみるといいかも。

普段住んでるだけでは見落としがちな街の歴史。「語り継ぐ」なんて言うとちょっと堅苦しいけれど、『いつか誰かに話す為に覚えとく』と思っていれば、案外後世に語り継がれたりするのかもしれません。(みんこ)